「うつ病は怠けだと思われてしまうのがつらい」
そんな風に感じたことはありませんか?
うつ病は、今では多くの人に知られるようになったとはいえ、実際にその症状を経験していない人から見ると、「甘えてる」「やる気がない」と誤解されがちです。
私自身、うつ病を経験するまでは、その誤解する側にいました。
でも、いざ自分が当事者になると、見た目ではわからない苦しさや、動けない自分に対する罪悪感に押しつぶされそうになる日々がありました。
この記事では、そうした体験をもとに、なぜうつ病が「怠け」に見えてしまうのか、そしてその誤解にどう向き合えばいいのかを、私なりの言葉で綴っています。
「自分は怠けてなんかいない」
そう思いながらも苦しんでいる方に、少しでも届けば幸いです。
実体験:他人から見た「怠け」に見える瞬間
前職で、うつ病を抱えながら働いていた先輩がいました。休憩中や世間話では普通に笑い、元気そうに見えるのに、いざ仕事となると急に動けなくなる。周囲の人間から見れば、「さっきまで元気そうだったのに、どうして?」という疑問が湧きます。
正直、当時の私は「ちょっと怠けてるんじゃないか」と感じてしまったことがありました。でも今なら、それは誤解であり、外から見ただけではわからない事情があったのだと理解できます。
自分の体験:家庭での誤解
その後、私自身がうつ病を経験することになりました。私の場合は、先輩とは逆で、仕事中はなんとか頑張れるのに、家では何もできなくなるという状態でした。
家事や育児を手伝う気力が湧かず、ただ横になるしかない。休日になっても外出はせずほとんど動かない。ソファーに横になりテレビを見ている。(実際にはテレビを見ているというよりテレビの方を見ているという方が正しいかもしれません)そんな自分を見て、妻から「なんで何もしないの?怠けてるの?」と思われることもありました。そのたびに自分を責め、ますます気持ちが沈むという悪循環に陥っていました。
症状は一様ではない
「うつ病」と聞くと、多くの人は次のようなイメージを持つかもしれません。
- 一日中ベッドから起き上がれない
- 何もできない
- 自殺を考えている
でも実際のところ、症状には波があり、人によっても大きく違います。
軽症のときや調子が良い時間帯は普通に話せるし、笑うことだってあります。それでも心の中では、ずっと不安や虚無感に苦しみ、エネルギーが切れると急に動けなくなってしまう。
だから、表面だけを見た人には「甘えている」「怠けている」と映ってしまいやすいのです。
誤解されないためにできること
私は病院で診断を受けた後、妻や職場に正直に伝えることにしました。
- 妻には、「病気のため、これまでと同じようには動けない」と説明。
- 職場には、上司に状況を伝え、業務量や働き方を調整してもらいました。
もちろん、すべての誤解がなくなるわけではありません。でも、自分が無理をしすぎないためには、言葉にして伝える努力がとても大切だと感じました。
誤解されても「しょうがない」と思うこと
それでも、どれだけ説明しても、完全に理解してもらえないことはあります。人によっては、こちらが何を言っても「怠けている」と決めつけてしまうこともあります。
そんなとき、私はこう思うようにしました。
- しょうがない。これ以上はどうにもならない。
- できる範囲のことをやればいい。それで十分だ。
- 相手を完全に変えることはできないし、周囲の評価はコントロールできない。
「しょうがない」と思うことは、あきらめではなく、自分の心を守るための大事な考え方です。うつ病の最中は、どうしても周囲の目や声が気になり、自分を責めがちです。だからこそ、少しでも心が軽くなるように、「これでいいんだ」と自分に言ってあげることが必要なのだと思います。
まとめ
うつ病は、外から見ただけではわかりにくい病気です。元気そうに見えても、心の中では必死に耐えていることがあります。
周囲に誤解されないように説明することは大切ですが、すべての人に理解されようと無理をする必要はありません。最終的には、「しょうがない」と思える心の余裕を持ち、自分のできる範囲でやっていくことが、うつ病と向き合うための大切な一歩だと思います。
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